趣味人の家 06 神奈川県 沢柳邸

思いっきり踊れる! ダンススタジオのある家

ご主人の定年退職を間近に控えた熟年夫婦が建てた家。二人の特技は音楽、ダンス、アート、etc。
趣味を極める二人だからこそ、家にもとびきりこだわりました。

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Text:Hitomi-Nakamura(中村仁美)/Photo:Tomaya Watanabe(渡邊朋哉)

神奈川県横須賀市の沢柳邸は、2年後に定年を迎えるご主人と奥様、息子さんの3人家族。
昨年に完成した新しいご自宅は、レンガ風タイルをアクセントに使った塗装の瀟洒な家。庭木まで手入れが行き届いており、一見、美しい輸入住宅といったところです。
しかし、中にはいると、1階の中央には広々としたプライベートスタジオとラジオ放送局並みの防音設備が整った音楽室、2階には絵画を楽しむためのアトリエといった、ご夫妻が趣味を楽しむためのスペースを盛り込んだ間取りとなっています。
「今まで住んでいた家が古くなってきましたから、バリアフリー住宅に立て替えようとしたのがきっかけなんですよ」とは奥様。
年老いて身体が不自由になったときも楽しく暮らせるように、”クルマ椅子での生活も快適な家”というのが始まりのコンセプト。
駐車スペースから家までクルマ椅子で行き来できるアプローチ、クルマ椅子で入れる広いトイレなどが希望でした。
しかし、実際にショールームを見て回ると、バリアフリーは実現できたとしても、お二人ならではのライフスタイルを踏まえた家作りというのは難しいように感じたといいます。
じつは、ご主人はかなりの趣味人。音楽が大好きで、ハーモニカやピアノの演奏が毎日の日課。ハーモニカはかなりの腕前で、数々の大会でよい成績をおさめています。
また、5年ほど前から水墨画をはじめ、出勤前に筆を持つこともしばしば。他にもガーデニングや家庭菜園、ハングル語など、多彩な趣味を楽しんでいます。
一方、奥様も趣味を超えた特技の持ち主。リズム体操を30年近く続けており、指導者として活躍しています。
家を建てるのであれば、こうした趣味のためのスペースを設けられれば・・・と考えるのは当然の成り行きでした。
「ハウスメーカーを何社か訪ねたんですけれど、ある程度規格があるから、融通が利かなくて。もちろん、予算もありますから、かなりの部分で妥協しなければいけなかったんです。最終的に2社のどちらかに決めかねていたときに、偶然土屋さんに会って」。
不動産業を営む土屋さんは、沢柳さんが贔屓にしている酒屋の息子さん。相談したところ、「家を建てるのは一生に1回か2回の話。だったらやりたいことを全部やってみようよ!」と励まされ、同じ予算、条件でコンペをやって決めてみてはどうかと提案を受けたのです。
さっそく、ハウスメーカー2社と、土屋さんの紹介で参入した近所の輸入住宅ビルダーである”スタッフ”、計3社によるコンペが開催されました。
「コンペをやってもらえて、すごくラッキーだったんです。スタッフさんの設計には、諦めかけていた趣味の部屋もあったし、見積もりもすごく細かく書かれてあって!」。
バリアフリーはあたりまえのこととし、ご夫妻の趣味をコンセプトにした間取りは、定年後の生活がますます楽しくなることを予感させるような内容。予算面でも抑えることができました。
さらにタイミングよく、近所で条件のよい売り地を見つけ購入。立て替え時の煩わしい仮住まいもせずにすみました。
「オール電化にしたんですけれど、電気代は前の住まいの約半分。24時間空調でいつも快適ですよ」。
とくに、湿気に気を使うアトリエでは、24時間空調のありがたみを感じるそう。
プライベートスタジオは、ちょっとしたレッスンができるだけでなく、お友達やお孫さんが遊びにきたときはリビングに変身。多目的スペースといて便利に使っています。
「誤算だったのは、一人暮らしするはずだった息子が一緒に住み続けることになったこと。新しい家が快適みたいで。二世帯で住むなんてことになったらどうしようかしら?」。
思いがけず、嬉しい悩みが増えたようです。


ご主人が音楽を楽しむための防音室。JIS規格の2種2級レベルの仕様となり、音楽教室などを開くことも可能。ちなみに、ご主人はハーモニカの指導者としての資格も有しています。

沢柳邸間取り

階段下の収納にはテレビや奥様の趣味に関する資料を収納。
テレビは見るときだけ出しています。
スタジオの壁面にはテープやビデオを収納するスペースが。ここには奥様がレッスンに使う音楽テープがたっぷりとストックされています。
趣味データ
ご主人の趣味
ハーモニカ・ピアノ・フルート・尺八・ガーデニング・ハングル語趣味歴/16年
奥様の趣味
リズム体操


外壁はジョリパットにレンガ風タイル、屋根はアルメットルーフィング、玄関ドアはYKK。
庭の施工はご子息の同級生が担当しています。

吹き抜けに見える赤くペイントされた梁がユニーク。手すりはフィッツ製、建具は全てノード(社)。フローリングは無垢のなら材。 クルマ椅子で使用することを想定して広々ととったトイレスペース。窓を設けておりとても明るくなっています。手洗いはリライアンス製。 ダイニングの隣にはモダンな和室を。日本庭園の木々や敷石は前の住まいから持ってきています。
HOUSE DATA Message from owner スタッフ
大内巌さんから一言

敷地面積/199.63u
延床面積/00.00u
築年数/1年
家族構成/ご夫婦+子供1人
構造/木2X4工法

施工中も、迷ったときはお願いすればよくしてくれる、という安心感がありました。庭の施工を行った業者さんも近所の人で、偶然にも息子の同級生。地元の信頼できる業者さんと出会えて満足のいく仕上がりになりました。

個性のある住宅を作りたい人は多いですが、打ち合わせをしていくうちにクロスでも材料でも無難なデザインのものを選んで、できあがったら普通の家になってしまうことも多いんです。沢柳さんの場合は、おもしろがって変わったものを選んでくれる一家。奇抜なアイデアも「おもしろそうだね」と楽しんでくれ、それが形になったというわけです。